2013年8月23日金曜日

【大人気漫画】ワンピースにみる物語の作り方【ドラゴーボール超えた?】

明石家さんまもネタにする程になった漫画「ONE PIECE」。

ワンピースの感想書くのもなんだから、
どういう風に尾田氏が物語を作っているかを
ちょっと分析したい。

特徴的なのが空島や魚人編などのメインストーリーと
その島や街に暮らしている人のサブストーリーの
二つが重なりあって物語が進んでいく。

これは、つまり完全未開の地で人も住まないような場所を
冒険している訳ではない。

既に独自の文化や文明が発達した島で
人工的だったりもする。

大航海というイメージに惑わされそうだが、
現代でいうと宇宙の物語に近いイメージ。
遠くの見慣れない独自の超進化を遂げた生物の星を旅するといった感じで、
既存の大航海のイメージとは著しく異なる。

これが中世や近代前の大航海の雰囲気で
文明の遅れた地域を旅するような冒険だと
明らかに物足りなく感じてしまうだろう。

そしてその島に関する登場人物だったり、
住む人だったりが、物語を進ませていく。

ストリーテラー的な役割を担う。

毎回ルフィだけの冒険ではなく、
ゾロ、ナミ、ウソップ、サンジ、チョッパー、ロビン、フランキーなど
メインキャストのみならず、島の住人の冒険をも描いていく。

そしてルフィ率いる仲間達が島で起こる事件や問題を解決していく。

それはルフィーの冒険物語でもあるが、
普通に暮らす人の物語でもある。

こうする事によって物語が多重構造になり、
内容に深みを増す。

そして忘れてはいけないのが泣かせる場面を持ってくるところ。
尾田氏がストーリーを進める為に頻繁に使用するのが回想シーン。
ワンピースにおける回想シーンは物語の説明部分。

故に読んでると飽きてしまう。

だからこそ、そこに一種のカタルシスを読者に与える為に、
最後に感動シーンを入れ、一気に物語の終盤へと持っていく。

そして、泣かせるシーンのもう一つのメリットは、各編で出てくる人物に
感情移入しようとしてもやはり上積みが無いから難しい。

そこで泣かせシーンを作って、その島でしか出ない人物にも
読者をシンクロ出来るようにしてしまう。

これぞ尾田マジック!

しかし、構造だけをマネしてもワンピース程人気が出るかと
言われればやはり難しいだろ。

これは漫画を描く力量あってこそ、技術生きるのだろう。

ワンピースってこんな感じでしょ。

てなわけでワンピースいつ完結するんだろ。
ジャンプ系の冒険漫画って終わってから一気読みしたい。
実際自分は、ワンピースは途中まで読んでだけど、もうなんか嫌になって
読むの辞めちゃった。

不思議な事におもしろいんだけど、ジャンプの冒険漫画は
連載追って読めない。

まぁ数年先の楽しみにとっておこう。

2013年8月17日土曜日

【家庭裁判所・裁判】毛利甚八作・魚戸おさむ画 「家裁の人」【子供・思春期に読ませたい漫画】



大学の授業でも取り上げられる事がある漫画「家裁の人」。

家庭裁判所裁判官の桑田義雄判事が、
裁判所に持ち込まれた事案に判決を下していく。

家裁というだけあって、持ち込まれる問題・事案は様々。
少年犯罪、離婚、遺産、育児、絶縁した親子など色々な問題を抱えた人が
法廷にやってくる。

裁判漫画だとすぐにお涙頂戴や
変に斜に構えて裏社会物だったり悪ぶったり、
正義感が強くなりすぎたりバランスが悪い漫画が多かったりするが、
この漫画は全然違う。

それが良く表現されているのが、
主人公の桑田判事のモットー。

「たとえ刑務所や少年院に入っても、いつか街に戻る。
何の為の刑罰なのか?重い刑を課せば、済む事なのか」

矯正の為の刑なのか、もしくは単なる罰としての刑なのか。

桑田判事はまたこうも言う。

「考える事を辞めた時、裁判所は冷たい箱になります」と。

桑田判事は過去の判例に従いルーティーンになりがちな判決も
一歩踏み込む事で全く違う世界を被告に与えていく。

一見恩情派にも見られそうだが、今被告、そして相談者に
何が一番必要なのか考え、時に厳しい判決も出す。

こうやって書くと何やら硬派な漫画と思いそうだが、
桑田判事は植物が好きで、葉を食べてその植物を覚えるという、
個性的な一面もある。

そして絵柄も緩い感じでほのぼのとしている。
なのに読んでいるうちに、心に強く響くものがある。

この絵でこういう風に感動させる事が出来るのか?と
描き方や物語の作り方に素直に感心させられる。

不安定な思春期にこの漫画は良いのかもしれない。
押し付けがましくもなく、説教臭くも無く、素直に考えさせられる。

裁判漫画の名作です。







2013年8月12日月曜日

【文学漫画】 押見 修造  「惡の華 」 1~7巻 中学生編



アニメ化もされ大人気の押見 修造作品「悪の華」

中学生という人間の成長過程で一番心身ともに不安定な時期。

その時期に主人公の文学少年の春日くんが仲村さんと出会う事により、
色々事件を一緒に起こしていく。

2013年8月6日火曜日

【OL・女性の出世物語】 作者 深見じゅん 「悪女」



テレビドラマ化もされた深見じゅん先生の「悪女」

雑誌「BE・LOVE」にて掲載され、
1988年4号から1997年10号の9年間の長期連載作品。
全222話の大傑作。

新入社員・田中麻理鈴が社内で偶然見かけたエリート風の男性に一目惚れしてしまう。
一方マリリンは遠縁のコネを利用して入社してきた、落ちこぼれ社員。

マリリンが一目惚れした男性に出会う為、そして恋を成就させる為に
選んだ道は出世!

出世して相手にも認めてられるような女性になるがため、
奮闘するコメディ&恋愛&出世漫画。

【相撲漫画】佐藤 タカヒロ 「バチバチ」7~15巻



前回一巻~六巻

今回7~15巻まで読んでみて、やはりチャンピオン漫画だなと感じた。
相撲漫画であるのだが、力士同士がぶつかり合い、
くみ取りの様子がどうも不良同士の喧嘩に見えてしまう。

どこか軽くて、相撲の持つ神事的な要素や、
格闘技としての要素が凄く弱い。

相撲特有の技を出し合っているのだが、
絵や描き方がどうも軽くて、
ヤンキー漫画の喧嘩シーンに見えてしまう。

おもしろい作品なだけに、そこが本当に残念。

これはしかし何でなんだろうなぁと思う。

汗成分や砂埃成分が足りないのか。
絵がさっぱりし過ぎているのか。

その両方かもしれない。

バチバチに相撲の神事的な要素も表現出来るような作品になれば
本当に相撲漫画の名作の仲間入り出来るだけに
もったいなく感じてしまう。

まぁでもおもしろいから、新連載の方も
読んじゃうよ。