2013年8月17日土曜日

【家庭裁判所・裁判】毛利甚八作・魚戸おさむ画 「家裁の人」【子供・思春期に読ませたい漫画】



大学の授業でも取り上げられる事がある漫画「家裁の人」。

家庭裁判所裁判官の桑田義雄判事が、
裁判所に持ち込まれた事案に判決を下していく。

家裁というだけあって、持ち込まれる問題・事案は様々。
少年犯罪、離婚、遺産、育児、絶縁した親子など色々な問題を抱えた人が
法廷にやってくる。

裁判漫画だとすぐにお涙頂戴や
変に斜に構えて裏社会物だったり悪ぶったり、
正義感が強くなりすぎたりバランスが悪い漫画が多かったりするが、
この漫画は全然違う。

それが良く表現されているのが、
主人公の桑田判事のモットー。

「たとえ刑務所や少年院に入っても、いつか街に戻る。
何の為の刑罰なのか?重い刑を課せば、済む事なのか」

矯正の為の刑なのか、もしくは単なる罰としての刑なのか。

桑田判事はまたこうも言う。

「考える事を辞めた時、裁判所は冷たい箱になります」と。

桑田判事は過去の判例に従いルーティーンになりがちな判決も
一歩踏み込む事で全く違う世界を被告に与えていく。

一見恩情派にも見られそうだが、今被告、そして相談者に
何が一番必要なのか考え、時に厳しい判決も出す。

こうやって書くと何やら硬派な漫画と思いそうだが、
桑田判事は植物が好きで、葉を食べてその植物を覚えるという、
個性的な一面もある。

そして絵柄も緩い感じでほのぼのとしている。
なのに読んでいるうちに、心に強く響くものがある。

この絵でこういう風に感動させる事が出来るのか?と
描き方や物語の作り方に素直に感心させられる。

不安定な思春期にこの漫画は良いのかもしれない。
押し付けがましくもなく、説教臭くも無く、素直に考えさせられる。

裁判漫画の名作です。







0 件のコメント:

コメントを投稿